中日ドラゴンズの親会社がトヨタ自動車ではない理由

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愛知県・名古屋市を拠点とする中日ドラゴンズ。愛知県最大の大企業といえばトヨタ自動車です。

ドラゴンズファンの中には、「なぜドラゴンズの親会社はトヨタ自動車ではなく、中日新聞なの?」と疑問に思った方もいるのではないでしょうか。

この記事では、トヨタ自動車がドラゴンズの親会社にはなれない理由を紹介します。

野球とトヨタ自動車

トヨタ自動車は、1937年8月28日に設立され愛知県豊田市に本社を置く、日本最大の自動車メーカーです。

2020年の3月の売上高は、グループ全体で約29兆9299億円を計上しています。

トヨタ自動車は、2022年上半期に約513万台を売上げ、3年連続で世界トップの販売台数を記録しました。

自動車の販売にとどまらず、スポーツ事業にも力を入れています。プロ化したサッカーの名古屋グランパスや、バスケットボールのアルバルク東京の運営。

その他にも、ラグビーや野球などの一般運動部のチームも活動しており、多くのアスリートがプレーしています。中でも硬式野球部は、これまで数多くの選手をプロの世界へ送り出している強豪です。

トヨタ自動車の野球部は、1947年に創部。わずか14名の選手でスタートしました。

1963年の第34回都市対抗野球大会に初出場しますが、平均年齢19.6歳と他のチームと比べてかなり若いチームとなりました。

そのため実戦経験も少なく、創部当初は他の企業とレベル差があり結果が出なかったのです。

1984年にトヨタ自動車は、会社創立50周年を迎える1987年に向けて運動部に力を入れる方針が打ち出され、野球部も徐々に強くなっていきました。

2007年には、チームの悲願となる日本選手権初優勝を達成。翌年も強豪JR東海を破り、史上2チーム目の連覇も達成。

トヨタ自動車はこれまでに日本選手権優勝6回、都市対抗野球大会優勝1回を記録しています。

強豪チームに成長した野球部からドラフト指名を受ける選手も増えており、即戦力選手として重要視されているのです。

ヤクルトの古田敦也選手をはじめ、現役選手ではライオンズの源田壮亮選手やカープの栗林良吏投手など球界を代表する選手を多く輩出。

実績も育成プランも充実し豊富な資金力もあるトヨタ自動車が、ドラゴンズの親会社になること望むファンも多くいるようです。

トヨタがドラゴンズの親会社になれない理由

ドラゴンズファンは、「トヨタ自動車を親会社に」と期待していますが、実際は様々な問題があり実現不可能とされています。

1つ目のネックは、トヨタ自動車が社会人野球チームを所持していることです。企業がプロとアマチュアの2つのチームを持つ事は許されていません。

もし所有してしまうと、今後ドラゴンズに入団する選手が多く在籍し3軍化してしまう可能性もあるため、認められていないのです。

かつて、ライオンズの親会社である西武は、グループ会社であるプリンスホテルに社会人野球チームを運営させていました。

プリンスホテルに野球事業を任せておこうと思ったところ、西武によるライオンズの買収が急遽決まってしまい、結果的に同じグループで2つのチームを持つことになったのです。

ドラフト1位で指名された選手が入団を拒否して、プリンスホテルに入社。翌年にライオンズが獲得するといった事例も起きてしまい、当時は様々な問題が指摘されていました。

こうした背景もプロ野球球団がアマチュアチームを持つことを認めていない理由なのではないでしょうか。

もしトヨタ自動車がドラゴンズの親会社になるためには、伝統ある野球部を手放さなければなりません。

トヨタ自動車は自社のスポーツのあり方について「スポーツは、人と人の距離を縮めるものであって、決して競い合うことが目的ではない」という精神を掲げています。

都市対抗戦の試合を社長の豊田章男氏が観戦に訪れるほど、全社員で応援する一体感があるトヨタ自動車。長い歴史のある野球部は、トヨタ自動車にとって掛け替えのないものなのです。

2つ目のネックとなっているのが、親会社、スポンサーとなるメリットがない点です。

トヨタ自動車は、既に野球部を持っているため、自社の広告塔としての役割を果たしています。

プロ野球球団を持つためには今以上の膨大な資金が必要となるため、新たな広告塔を獲得するメリットが小さいのです。

プロ野球は試合中継もあり宣伝効果は社会人野球の何倍も効果がありますが、トヨタ自動車がドラゴンズのオーナーになると、トヨタ車を買うことがドラゴンズを支援することに繋がってしまい、東海地区以外で車が売れなくなる可能性もあるのではないかといわれています。

スポーツファンは、応援するチームやそのチームのスポンサーの商品を購入する一面もあります。

こうした背景から、トヨタ自動車がドラゴンズの親会社になるメリットが感じられないのです。

3つ目のネックは、中日新聞社がドラゴンズを手放さない点です。

中日新聞社は、新聞紙の販売で利益を挙げているため、ドラゴンズを手放してしまうと売上げが減ってしまいます。

どれだけ財政難に落ちても、新聞の売上げに影響するドラゴンズの身売りはしないのではないでしょうか。

全く補強をしない、財政難と言われたドラゴンズも、立浪監督の就任や根尾昂投手の活躍などにより人気回復へ前進しています。

2022年シーズンの総動員数は約180万人を記録し、12球団の中で5番目に多い数字を記録しました。

このオフにも大金を投資して大物助っ人の獲得に動くなど、全く身売りの動きを見せていないのです。

もし仮にトヨタ自動車がドラゴンズの親会社になった場合、どのように生まれ変わるのでしょうか。

豊富な資金があるトヨタ自動車となれば、選手の補強やホームランテラスの設置など期待が膨らんでしまいます。

現在、トヨタが運営しているグランパスはの過去の選手補強を見ていきましょう。

2018年、グランパスは元ブラジル代表の大物ストライカー、ジョー選手を獲得することを発表。

ジョー選手は、過去にマンチェスターシティーでプレーした経験もあり、ブラジル代表としてワールドカップにも出場しています。

前年にブラジルリーグで得点王、MVPを獲得したジョー選手の移籍金は約14億円。この移籍金はJリーグ史上歴代1位となっています。

年俸も4億円と高額なため「トヨタマネーか」と話題となりました。

過去にグランパスでは、世界的名将であるベンゲル氏や、ストイコビッチ氏が監督を務めていたこともあります。大物監督を連れてきたり、毎年、チームへの補強も惜しみません。

ドラゴンズファンにとっては羨ましい限りではないでしょうか。

もしトヨタ自動車が親会社となれば、近年遠ざかっているFAへの参戦や大物選手獲得に動いてくれるかもしれません。そんな中、ドラゴンズファンが心配しているのが、“二足のわらじ”になるのではないかという点です。

現在、楽天が唯一、プロ野球のイーグルスとサッカーのヴィッセルの2チームを運営しています。どちらのチームも常勝軍団にしようと三木谷浩史氏は豊富な資金を投入。

イーグルスには田中将大投手を復帰させ、ヴィッセルはイニエスタ選手など多くの大物選手を獲得しました。しかしどちらのチームも優勝から遠ざかっています。こういった背景から、2つのチームを持つことへの不安をファンは感じているのです。

現状では様々な問題があり、親会社になるのは難しいかもしれませんが、もっとグランパスとドラゴンズがコラボして名古屋を盛り上げていってほしいですね。

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